イタリア語の音楽用語をやさしく
世界中の楽譜の多くは、どう演奏するかをイタリア語で書いています。どのくらいの速さで、どのくらいの大きさで、どんな気持ちで弾くか、です。イタリア語が話せなくても大丈夫。グループごとに覚えて、それぞれにイメージを結びつければ、しっかり身につきます。
このレッスンの内容

用語の読み方
用語は楽譜の上か下に書かれています。曲のはじめの Allegro のような速度の言葉は、速さを表します。強弱記号は音の大きさを表します。p は piano(弱く)、f は forte(強く)の略です。(楽器のピアノの正式名 pianoforte は「弱い・強い」という意味です。両方を弾き分けられたからです。)molto(とても)や poco(少し)のような補助の言葉は、となりの言葉の意味を変えます。日本語の「とても」「少し」と同じです。
♩ = 120 のような数字が書かれた曲も多くあります。1分間に120拍(BPM)という意味なので、メトロノームをその数に合わせましょう。この一覧の BPM はあくまで目安です。本やメトロノームによって数字は少しずつちがい、ちょうどよい速さは曲によっても変わります。
グループ別の用語一覧
116 語
見つかりませんでした。もっと短い言葉で試してください。
速さ
- Grave 25–45 BPM
- 重々しく、とてもゆっくり。重い鐘がゆっくり鳴っている。
- Largo 40–60 BPM
- 幅広く、とてもゆっくり。ゾウがのんびり歩いている。
- Lento 45–60 BPM
- ゆるやかに、ゆっくり。カタツムリが葉っぱの上を進んでいる。
- Larghetto 60–66 BPM
- ゆっくり。でも Largo より少しだけ速く。子どものゾウ:まだゆっくりだけど、少し軽やか。
- Adagio 66–76 BPM
- ゆるやかに、ゆったりと。おだやかな水にあおむけで浮かんでいる。
- Andante 76–108 BPM
- 歩くような速さで。時間に余裕をもって学校へ歩いていく。
- Andantino 84–112 BPM
- Andante より少し速く(今はほとんどの音楽家がこの意味で読みます)。少し早足の、ちょっとしたお散歩。
- Moderato 108–120 BPM
- 中ぐらいの速さで。平らな道を自転車で走っている。
- Allegretto 112–128 BPM
- やや速く、軽やかに。Allegro より少しおそく。小道をスキップしている。
- Allegro 120–156 BPM
- 速く、生き生きと。もともと「陽気な」という意味もあります。校庭をかけ回っている。
- Vivace 140–176 BPM
- 活発に、速く。じっとしていられない子犬。
- Presto 168–200 BPM
- 急速に、とても速く。ウサギが全力で逃げていく。
- Prestissimo 200+ BPM
- できるだけ速く。全速力のチーター。
速さの変化
- accelerando
- だんだん速く。略して accel.駅を出発する電車。
- ritardando
- だんだんおそく。略して rit. または ritard.自転車がすーっと止まっていく。
- rallentando
- だんだんゆるやかに(ritardando とほぼ同じ)。略して rall.メリーゴーラウンドがゆっくり止まっていく。
- ritenuto
- すぐにおそく:だんだんではなく、その場でおそくします。略して riten.ペダルをこぐのをやめるだけでなく、ブレーキをかける。
- allargando
- だんだんおそく、幅広く。たいてい強くもなります。両手を大きく広げるフィナーレ。
- stringendo
- せきこんで、だんだん速く。バスが来たので急いでかけ寄る。
- a tempo
- もとの速さで。寄り道のあと、いつもの歩き方に戻る。
- tempo primo
- 曲のはじめの速さに戻って。Tempo I とも書きます。スタートラインに戻る。
- rubato
- 表情をつけるために、テンポを自由にのばしたり急いだりして。お話の途中でわざと間をとって、また続ける。
- fermata
- フェルマータ 𝄐:その音や休符を、書かれているよりほどよくのばして。動画をお気に入りの場面で一時停止する。
- l'istesso tempo
- 拍子(曲のはじめの 3/4 のような数字)が変わっても、1拍の速さは同じで。心臓のリズムは同じで、ダンスだけ変わる。
強弱
- pianississimo ppp
- できるだけ弱く。ppp と書きます。羽がふわりと落ちる。
- pianissimo pp
- とても弱く。pp と書きます。図書館でのひそひそ話。
- piano p
- 弱く。p と書きます。赤ちゃんが起きないように小声で話す。
- mezzo piano mp
- 少し弱く。mp と書きます。食卓でのおしゃべり。
- mezzo forte mf
- 少し強く。mf と書きます。教室でのふつうの話し声。
- forte f
- 強く。f と書きます。校庭の向こうにいる友だちを呼ぶ。
- fortissimo ff
- とても強く。ff と書きます。サッカーの試合で大声で応援する。
- fortississimo fff
- できるだけ強く。fff と書きます。頭の真上で鳴る雷。
強弱の変化
- crescendo
- だんだん強く。略して cresc.、または音符の下で開いていく長いくさび形(のばした < のような形)で書きます。波がだんだん高くなる。
- decrescendo
- だんだん弱く。略して decresc.、または閉じていく長いくさび形(のばした > のような形)で書きます。1つの音符の上につく小さなアクセント記号 > とまちがえないように。波が砂浜で消えていく。
- diminuendo
- だんだん弱く(decrescendo と同じ)。略して dim.車が遠くへ走り去っていく。
- sforzando
- その音だけ急に強く。sfz または sf と書きます。急にパンと手をたたく。
- forte-piano
- 強く、そしてすぐ弱く。fp と書きます。ドアがバタンと閉まって、そのあとしーん。
- subito
- 急に。subito piano は「急に弱く」。スイッチひとつで明かりを消す。
- morendo
- 消えるように:だんだん弱く、たいていおそくもなります。ろうそくの火がゆっくり消えていく。
気分と表情
- dolce
- 甘く、やさしく。子守歌を歌う。
- cantabile
- 歌うように:なめらかに、表情豊かに。楽器が歌っているように弾く。
- espressivo
- 表情豊かに、気持ちをこめて。略して espress.自分にとって大切なお話をする。
- con brio
- 生き生きと、元気よく。夏休みの最初の朝、ベッドから飛び起きる。
- con fuoco
- 火のように、情熱的に。火をふくドラゴン。
- maestoso
- 堂々と、おごそかに。王さまが広間に入ってくる。
- grazioso
- 優雅に。くるりと回るバレリーナ。
- giocoso
- おどけて、楽しげに。毛糸玉で遊ぶ子ネコ。
- scherzando
- おどけて、軽くからかうように。かくれんぼ。
- leggiero
- 軽く、軽やかなタッチで。小川の飛び石をつま先でわたる。
- pesante
- 重く、どっしりと。巨人がドスンドスンと歩く。
- tranquillo
- 静かに、おだやかに。日の出の静かな湖。
- agitato
- せきこんで、落ち着かずに。テストの結果を待っているとき。
- animato
- 生き生きと(たいてい少し速くなります)。アニメのキャラクターが動き出す。
- sostenuto
- 音を十分に保って。少しおそくなることも多いです。長く息を吸って、歌いながらのばす。
- misterioso
- 神秘的に。懐中電灯を持って暗いほら穴に入る。
- appassionato
- 情熱的に。いちばん好きなものについて話す。
- semplice
- 素朴に、かざらずに。コップ1杯の水。
- tenero
- やさしく、愛情をこめて。小鳥を両手でそっと包む。
1音1音の弾き方(奏法)
- legato
- レガート:音と音のあいだをすき間なく、なめらかにつなげて。鉛筆を紙から離さずに線を引く。
- staccato
- スタッカート:音を短く切って。音符の上か下の点で表します。シャボン玉をひとつずつ割る。
- staccatissimo
- スタッカーティッシモ:とても短く鋭く。小さなくさび形で表します。トタン屋根をたたく雨つぶ。
- tenuto
- テヌート:その音の長さを十分に保って。少し長めでもよいくらい。短い横線で表します。インターホンを押したまま待つ。
- marcato
- マルカート:1音1音をはっきりと強く。^ の記号で表します。行進する兵隊さんのブーツの音。
- accent
- アクセント:その音をまわりの音より強く。音符の上か下の小さな > で表します。(accent は英語で、イタリア語では accento です。)文の中でひとつの言葉だけ大きく言う。
- portato
- ポルタート:レガートとスタッカートの中間で、少し区切りながら、やわらかく押すように。スラーの下の点(または短い線)で表します。やわらかい雪の上を歩く足音。
- glissando
- グリッサンド:あいだの音を通って、ある音から別の音へすべるように。略して gliss.公園のすべり台をすべる。
- tremolo
- トレモロ:同じ音をとても速くくり返す、または2つの音のあいだをとても速く行き来する。略して trem.ハチドリの羽ばたき。
- trill
- トリル:ある音とそのすぐ上の音をすばやく交互に。tr で表します。(trill は英語で、イタリア語では trillo です。)小鳥のさえずり。
- arpeggio
- アルペッジョ:和音の音をハープのように1つずつ順に弾く。飛び石を1つずつわたる。
くり返しと道しるべ
- 𝄆 … 𝄇
- リピート記号 𝄆 … 𝄇:あいだの部分を2回演奏します。終わりの 𝄇 だけのときは、曲のはじめに戻ります。曲のリプレイボタンを押す。
- da capo
- ダ・カーポ:曲のはじめに戻って。略して D.C.すごろくの「ふりだしに戻る」。
- dal segno
- ダル・セーニョ:セーニョ記号 𝄋 に戻って。略して D.S.しおりのページに戻る。
- al fine
- Fine(フィーネ)まで弾いて終わる。D.C. al Fine は「はじめに戻って、Fine で終わる」。「終点」と書かれた駅まで乗る。
- al coda
- D.C. や D.S. で戻ったあと、「To Coda」の記号 𝄌 まで来たら、同じ記号で始まる結びの部分(コーダ)へ飛ぶ。近道してゴールへ向かう。
- fine
- フィーネ:終わり(D.C. や D.S. と一緒に使います)。本の最後のページ。
- coda
- コーダ:曲の最後の結びの部分。記号は 𝄌 です。曲のしっぽ。
- segno
- セーニョ:D.S. で戻る場所を示す記号 𝄋。場所を知らせる小さな旗。
- volta
- 1番カッコと2番カッコ(1. と 2.)。1回目は1番カッコを弾いてリピート記号まで戻り、2回目は1番カッコを飛ばして2番カッコを弾きます。同じ部屋から出る、2つのちがうドア。
- bis
- 2回:この短い部分をくり返して。「もう1回!」と1度だけ言う。
- simile
- 前と同じように続けて。編み物の次の段を同じ模様で編む。
- attacca
- 休まずに、すぐ次の部分へ続けて。つながった2両の電車。
小さな補助の言葉
- molto
- とても、非常に。molto allegro は「とても速く」。激辛。
- poco
- 少し。poco più mosso は「少し速く」。塩をひとつまみだけ。
- poco a poco
- 少しずつ。一歩ずつ坂をのぼる。
- più
- もっと。più forte は「もっと強く」。スプーンもう1杯。
- meno
- より少なく。meno mosso は「今までより動きを少なく」、つまりおそく。スプーン1杯少なめ。
- assai
- 非常に、十分に。allegro assai は「非常に速く」。ほんとうに、本気で。
- non troppo
- はなはだしくなく、ほどほどに。allegro non troppo は「速く、でも速すぎずに」。急いでもいいけど、ろうかは走らない。
- sempre
- 常に、ずっと。sempre piano は「ずっと弱く」。乗っているあいだはずっとシートベルト。
- mosso
- 動きをもって。ボートが前へただよっていく。
- con moto
- 動きをもって、先へ進むように。目的をもって歩く。
- con
- 〜とともに、〜をもって。バターつきのパン。
- senza
- 〜なしで。砂糖なしの紅茶。
- ma
- しかし。速く、でも慎重に。
- quasi
- ほとんど、〜のように。まるで歌のよう。
合奏の言葉
- tutti
- 全員で演奏する。クラス全員で歌う。
- solo
- 1人だけで演奏する。スポットライトを浴びるひとつの声。
- soli
- 少人数のグループが特別なパートを演奏する。数人の友だちがステージに立つ。
- divisi
- 同じパートの奏者が、いくつかのパートに分かれる。略して div.1つのクラスが2チームに分かれる。
- unisono
- (divisi のあと)全員がまた同じ音を演奏する。略して unis.みんながまた1つのチームに戻る。
- a due
- 2人の奏者が同じパートを演奏する。a 2 と書きます。ふたごが同じことを言う。
- ad libitum
- 自由に、好きなように。略して ad lib.トッピングは自分で選ぶ。
- tacet
- この部分では、この楽器はお休み。自分の番を静かに待つ。
- colla voce
- 歌い手のテンポに合わせて。ペアダンスで相手のリードについていく。
楽器ごとの奏法
- pizzicato
- ピッツィカート:弓を使わず、指で弦をはじく。略して pizz.輪ゴムをはじく。
- arco
- アルコ:(ピッツィカートのあと)また弓で弾く。長い筆でひと筆描く。
- con sordino
- 弱音器をつけて。やわらかく、ベールをかけたような音になります。略して con sord.マフラー越しに話す。
- senza sordino
- 弱音器をはずして。マフラーをはずす。
- sul ponticello
- 駒の近くを弓で弾いて、ガラスのような、ささやくような音を出す。おばけのささやき。
- col legno
- 弓の木の部分で弾く。棒でフェンスをコツコツたたく。
- una corda
- ピアノ:弱音ペダル(左のペダル)を踏む。音に毛布をかける。
- tre corde
- ピアノ:弱音ペダルを離す。毛布を取る。
- ottava
- 8va は書かれた音より1オクターブ高く、8vb は1オクターブ低く弾く。エレベーターで1つ上(または下)の階へ。
- loco
- ottava のあと、書かれた高さに戻って弾く。自分の階に戻る。
- mano destra
- 右手。略して m.d.(英語の楽譜では R.H. と書くこともあります)。(たいていの人が)手をふるほうの手。
- mano sinistra
- 左手。略して m.s.(英語の楽譜では L.H. と書くこともあります)。もう片方の手。
ピアノの音:Salamander Grand Piano(Alexander Holm、CC BY 3.0)。