五度圏を時計で考えよう
五度圏は、12の調を時計の12の数字のように円に並べたものです。見た目はシンプルですが、いくつもの疑問に一度に答えてくれます。その調にシャープやフラットがいくつあるか、ふたごの短調はどれか、どのコードが一緒によく合うか、です。
このレッスンの内容

時計に並んだ12の調
C はいちばん上、12時の位置にあります。時計回りにひとつ進むごとに完全5度(半音7つ)上がります:C、G、D、A、E、B、そして F♯ と続いていきます。反対回りにひとつ進むごとに5度下がります:C、F、B♭、E♭……。
12回進むと C に戻ってきます。上がり続けているのに出発点に戻る、魔法の階段のようです。本物の階段ではありえませんが、音名ではそうなるのです。
円の上の調をタップしてください。
シャープとフラットの順番
シャープはいつも同じ順番でつきます:F♯ C♯ G♯ D♯ A♯ E♯ B♯。フラットはその反対の順番です:B♭ E♭ A♭ D♭ G♭ C♭ F♭。フラットの順番は、シャープの順番を逆から読んだものになっています。
日本では、ドレミで「ファドソレラミシ」(シャープ)、逆から「シミラレソドファ」(フラット)と唱えて覚えるのが定番です。
内側にいる短調のふたご
どの長調にも、まったく同じシャープやフラットを使う短調があります。これを「平行調」といい、いわば「短調のふたご」です。五度圏では、短調はその長調のすぐ内側にいます:C 長調と A 短調、G 長調と E 短調、F 長調と D 短調。
ピアノで平行調の短調を見つけるには、長調の名前の音から、黒鍵も入れて3つ下へ数えます:C → B → B♭ → A。
おとなりさんは大親友
コード(和音)は、3つ以上の音を同時に鳴らしたものです。円でとなり合う調は、1つの音以外はすべて同じ音を使うので、近くてなかよしの響きになります。だから、ある調でいちばんよく使う3つのコードは、その調自身と両どなりです。C 長調なら C、F、G です。コードには、音階の何番目の音から始まるかでローマ数字の番号をつけます。C は C 長調の1番目の音(I)、F は4番目(IV)、G は5番目(V)です。それぞれ主和音、下属和音、属和音とも呼びます。大文字は長三和音、小文字(ii、iii、vi)は短三和音を表します。I、IV、V だけでできた曲は数えきれないほどあります。
この3つのすぐ内側にある短三和音(C 長調なら Am、Dm、Em)も友だちです。この6つのコードで、初心者向けの曲のほとんどが弾けます。上の五度圏で調をタップして、よく合うコードを鳴らしてみましょう。
曲を別の調に移す
歌うには高すぎたり低すぎたりする曲は、すべてのコードを円の上で同じ数だけ動かせます。C、F、G を使う曲を時計回りにひとつ動かすと、G、C、D になります。曲はそのままで、高さだけが変わります。円のダイヤルを回すようなものです。これを「移調」といいます。
すべての調をひと目で
それぞれの長調と、そのシャープやフラット、平行調の短調を一覧にしました。
| 調 | 調号 | 平行調の短調(短調のふたご) |
|---|---|---|
| C 長調 | シャープもフラットもなし | A 短調 |
| G 長調 | シャープ 1 つ F♯ | E 短調 |
| D 長調 | シャープ 2 つ F♯ C♯ | B 短調 |
| A 長調 | シャープ 3 つ F♯ C♯ G♯ | F♯ 短調 |
| E 長調 | シャープ 4 つ F♯ C♯ G♯ D♯ | C♯ 短調 |
| B 長調 | シャープ 5 つ F♯ C♯ G♯ D♯ A♯ | G♯ 短調 |
| C♭ 長調 | フラット 7 つ B♭ E♭ A♭ D♭ G♭ C♭ F♭ | A♭ 短調 |
| F♯ 長調 | シャープ 6 つ F♯ C♯ G♯ D♯ A♯ E♯ | D♯ 短調 |
| G♭ 長調 | フラット 6 つ B♭ E♭ A♭ D♭ G♭ C♭ | E♭ 短調 |
| C♯ 長調 | シャープ 7 つ F♯ C♯ G♯ D♯ A♯ E♯ B♯ | A♯ 短調 |
| D♭ 長調 | フラット 5 つ B♭ E♭ A♭ D♭ G♭ | B♭ 短調 |
| A♭ 長調 | フラット 4 つ B♭ E♭ A♭ D♭ | F 短調 |
| E♭ 長調 | フラット 3 つ B♭ E♭ A♭ | C 短調 |
| B♭ 長調 | フラット 2 つ B♭ E♭ | G 短調 |
| F 長調 | フラット 1 つ B♭ | D 短調 |
ピアノの音:Salamander Grand Piano(Alexander Holm、CC BY 3.0)。