曲の形:1曲はどうやってできている?
曲は、音がずっと一本につながったものではありません。家にいくつも部屋があるように、いくつかの部分でできています。何度ももどってくる部分もあれば、一度しか出てこない部分もあります。部分を知っていると、曲を覚えやすくなり、早く弾けるようになり、次に何が来るか予想もできます。
このレッスンの内容

曲の部分
たいていの曲は、いくつかの種類の部分でできています。日本のポップスでは Aメロ・Bメロ・サビと呼ぶことが多く、英語圏ではバース・コーラスと呼びます。ここでは、お話をする部分をバース(Aメロ)と呼びます。毎回メロディーは同じで、歌詞が変わります。サビ(コーラス)はみんなで歌う部分です。歌詞もメロディーも毎回同じようにもどってくるので、いちばん覚えやすい部分です。
ブリッジは、ちがう雰囲気の部分で、よく一度だけ、たいていは曲の後ろのほうに出てきます。サビにもどる前に、耳に新しいものを聴かせてくれます。曲のはじめにはイントロ、おわりにはアウトロがある曲もたくさんあります。
文字で部分に名前をつける
音楽家は、バースやサビと言わずに、ちがう部分ごとに文字をつけることがあります。最初の部分が A、新しいちがう部分が B です。A がもどってきたら、また A です。
つまり A B A は、ひとつのメロディー、ちがうメロディー、そして最初のメロディー。散歩に出かけて、家にもどってくるようなものです。A A B A は、同じメロディーが2回、ちがう部分、そしてもう一度最初のメロディー。下の形を見てみましょう。
- Aメロとサビ
曲でいちばんよくある形:お話をする Aメロ(バース)、そのあとにみんなで歌うサビ、そしてもう一度くり返します。
- A A B A
Aメロが2回、そのあとにちがう中間部分(ブリッジ)、最後にもう一度はじめのメロディー。古いポップスやジャズの曲に、この形がたくさんあります。
- A B A
ひとつのメロディー、ちがうメロディー、そしてまた最初のメロディー:出かけて、おうちにもどってくる形です。
やってみよう:好きな曲をかけて、その曲の文字を書いてみましょう。新しいものが聴こえるたびに、次の文字を使います。
有名な形:12小節のブルース
コードで作られた形もあります。12小節のブルース(blues)は、いちばん有名な形のひとつです。12小節を、4小節ずつ3段に分けて、使うコードは I、IV、V の3つだけです。C のキーでは、C、F、G になります。
コードの並び方は、どのキーでも同じです。I が4小節、IV が2小節、I が2小節、そして V、IV、I、V。キーを選んで再生を押し、12小節がひとまわりするのを聴いてみましょう。そのあと、また最初からはじまります。
12小節のブルース
12小節を、4小節ずつ3つのまとまりにして、3つのコード(I、IV、V)で作ります。
- IC
- IC
- IC
- IC
- IVF
- IVF
- IC
- IC
- VG
- IVF
- IC
- VG
曲はなぜくり返して、変わるの?
音楽は、くり返しと変化の2つをいっしょに使います。ある部分がもどってくると、聴いたことがあるとわかって、友だちにまた会えたようないい気持ちになります。新しいものが出てくると、わくわくして聴きたくなります。くり返しだけの曲は退屈で、新しいものだけの曲はついていくのがむずかしくなります。
だから、サビはもどってきて、ブリッジは一度だけ出てくるのです。次に曲を聴くときは、部分が変わるところを感じてみましょう。
ピアノの音:Salamander Grand Piano(Alexander Holm、CC BY 3.0)。