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演奏の記号:大きさ、速さ、そして進む道

音符は、どの音を弾くかを教えてくれます。そのまわりの記号は、どう弾くかを教えてくれます。弱くか強くか、ゆっくりか速くか、短くかなめらかにか。なかには、地図の矢印のように、前にもどったり先へ跳んだりさせる記号もあります。ボタンを押してそれぞれの記号を聴き、指で地図をたどってみましょう。

2026年10月7日 内容確認

このレッスンの内容

強弱:どのくらいの大きさ?

どのくらい強く、または弱く演奏するかを「強弱」といいます。おもな文字は p と f の2つです。p はピアノ(piano、弱く)、f はフォルテ(forte、強く)。前に m(メゾ、mezzo=半分)をつけると、真ん中の段になります。mp はメゾピアノ(少し弱く)、mf はメゾフォルテ(少し強く)です。文字を2つ重ねるともっと先へ進みます。pp はピアニッシモ(とても弱く)、ff はフォルティッシモ(とても強く)です。

つまり、弱いほうから強いほうへのはしごは pp、p、mp、mf、f、ff です。これは音量計の決まった数字ではありません。おたがいにくらべたものです。トランペットの p は、ギターの p よりやはり大きな音です。大切なのは、p は mf より弱く、f は mf より強いということです。

  • 短い曲を弱く弾きます。
  • 同じ曲を強く弾きます。
  • 1つのコードがはしごをのぼります:pp、p、mp、mf、f、ff。

やってみよう:「おはよう」を p で言い、次に mf、次に f で言ってみましょう。同じことばで、3つの強弱です。

だんだん強く、だんだん弱く

音楽は、音の大きさを少しずつ変えることがよくあります。クレッシェンド(cresc.)は「だんだん強く」、デクレッシェンドまたはディミヌエンド(decresc.、dim.)は「だんだん弱く」という意味です。ことばのかわりに、音符の下に細長いくさび形を書くこともあります。日本では形から「松葉」とも呼びます。開いていくもの(のばした < のよう)は強く、閉じていくもの(のばした > のよう)は弱くです。

この長いくさび形を、1つの音符についた小さな > とまちがえないようにしましょう。小さな記号はアクセントで、このあとで聴けます。音の大きさに関するほかのイタリア語は、「音楽用語」のレッスンにあります。

  • 弱く始まって、最後に向かってだんだん強くなります。
  • 同じ曲が強く始まって、だんだん消えていきます。

速度:どのくらいの速さ?

曲のはじめにある速度のことばは、拍がどれくらいの速さで進むかを教えてくれます。Largo(ラルゴ)はとてもゆっくり幅広く、Andante(アンダンテ)は歩くような速さ、Moderato(モデラート)は中くらい、Allegro(アレグロ)は速く明るく、Presto(プレスト)はとても速く、です。多くの曲には ♩ = 92 のような数字も書かれています。これは1分間に92拍(BPM)という意味です。

おおよその目安は、Largo 約40〜60 BPM、Andante 約76〜108、Moderato 約108〜120、Allegro 約120〜156、Presto 約168〜200 です。本やメトロノームによって数字は少しちがい、曲ごとにもそれぞれの感じがあります。下では、同じ短いフレーズを4つの速さで弾きます。速いものは、耳がなじむように2回以上弾きます。

途中で速さを変えることばもあります。リタルダンド(rit.)は、自転車がゆっくり止まるように「だんだん遅く」、ア・テンポ(a tempo)は「もとの速さで」という意味です。全部の一覧は「音楽用語」のレッスンにあります。

  • 50 BPM のフレーズ:ゆっくり幅広く。
  • 同じフレーズを 92 BPM で、歩くような速さ(2回弾きます)。
  • 同じフレーズを 138 BPM で:速く明るく(2回弾きます)。
  • 同じフレーズを 184 BPM で:とても速く(3回弾きます)。
  • 2回弾きます。2回目は、最後の小節がだんだん遅くなります。

やってみよう:メトロノームを 60、92、138 に合わせて、それぞれその場で足ぶみしてみましょう。Andante らしく感じるのはどれですか?

短く、またはなめらかに:スタッカートとレガート

音符の上か下にある小さな点はスタッカートです。音を短く、切りはなして弾き、そのあとに少しだけ静かな間をつくります。シャボン玉を1つずつ割っていくような感じです。いくつかのちがう音の上にかかる曲線はスラーです。その音はレガートで、すき間なくなめらかにつなげて弾きます。鉛筆を紙からはなさずに線をかくようなものです。

スラーはタイに似ていますが、同じではありません。タイは同じ高さの2つの音符をつないで、1つの長い音にします(「リズムと音符の長さ」のレッスンを見てください)。スラーはちがう音をつなぎ、なめらかにつなげて弾くように教えてくれます。同じ曲を両方の弾き方で聴いてみましょう。

  • どの音も、すき間なく次の音へ流れていきます。
  • 同じ曲を、短くはずむ音と小さな静けさで。

アクセントとフェルマータ

アクセントは、音符の上か下にある小さな > で、その音をまわりの音より強く弾くという意味です。文のなかで1つのことばだけを大きく言うようなものです。アクセントで、メロディーの感じが変わることがあります。例では、各小節の速い8つの音のうち、1、4、7番目にアクセントがつくので、3 + 3 + 2 のまとまりに聞こえます。

フェルマータ 𝄐(下に点のある曲線)は、その音(または休符)を書かれた長さよりのばすという意味です。どれくらいのばすかは、演奏者か指揮者が決めます。動画をお気に入りの場面で一時停止して、また再生するようなものです。

  • 速い音を、すべて同じ強さで。
  • 同じ音で、各小節の1、4、7番目にアクセント。
  • 曲を拍どおりに最後まで弾きます。
  • 同じ曲で、2小節目の高い音を長くのばしてから、拍がまた進みます。

反復記号と1番かっこ・2番かっこ

紙を節約するために、楽譜では同じ小節を2回印刷しません。反復記号(リピート記号)は、太い複縦線のとなりに2つの点がついたもの(𝄇)で、「もどって、この部分をもう一度弾きなさい」という意味です。対になる始まりの記号(𝄆)までもどります。始まりの記号がなければ、曲のいちばん最初にもどります。

2回目は終わり方がちがうこともあります。1. と 2. と書かれたかっこが、1番かっこと2番かっこです。1回目は1番かっこを弾いて、もどります。2回目は1番かっこをとばして、そのまま2番かっこへ進みます。例の地図は:𝄆 A の小節、B の小節、[1. 1番かっこ]𝄇[2. 2番かっこ]。だから、A、B、1番かっこ、そして A、B、2番かっこと聞こえます。

  • A、B、1番かっこ(もどる)、A、B、2番かっこ(終わる)。

D.C.、D.S.、Fine、Coda:矢印をたどろう

D.C.(ダ・カーポ)は「はじめにもどる」、D.S.(ダル・セーニョ)は「記号 𝄋(セーニョ)にもどる」という意味です。どこで止まるかを教えることばがいっしょに書かれます。al Fine は Fine(フィーネ)ということばまで弾いて、そこで終わるという意味です。al Coda は「To Coda」𝄌 まで弾いたら、Coda(コーダ)へ跳ぶという意味です。Coda は同じ記号で始まる、曲の終わりの部分です。

例1、D.C. al Fine。地図は4小節です:1、2(Fine)、3、4(D.C. al Fine)。1、2、3、4 と弾いて、はじめにもどり、1 と 2 をもう一度弾いて、Fine で止まります。例2、D.S. al Coda。地図は:前奏、𝄋 2小節目、3小節目(To Coda 𝄌)、4小節目(D.S. al Coda)、そして Coda。前奏、2、3、4 と弾き、記号にもどって 2 と 3 を弾き、Coda へ跳びます。

知っておきたい習慣がひとつあります。D.C. や D.S. でもどったときは、楽譜や指揮者がほかの指示をしないかぎり、2回目は反復記号をとばして、最後の終わり方だけを弾くのがふつうです。

  • 1、2、3、4小節、はじめにもどって 1 と 2、Fine で止まります。
  • 前奏、2、3、4、記号にもどって 2 と 3、そして Coda へ。

やってみよう:新しい曲を弾く前に、指で道順をたどってみましょう。まず、反復記号、かっこ、𝄋、Fine、𝄌 をすべて見つけてから、再生を押して矢印をたどります。

ピアノの音:Salamander Grand Piano(Alexander Holm、CC BY 3.0)。

やさしい楽典

  1. 音名
  2. 五線譜
  3. リズムと音符の長さ
  4. 小節と拍子記号
  5. リズムの応用
  6. 音程
  7. 音階
  8. コード
  9. コードネーム
  10. 和声
  11. 五度圏
  12. 移調と転調
  13. 曲の形
  14. 演奏の記号
  15. メロディー
  16. テクスチュア
  17. 音の科学
  18. 音楽用語

楽典レッスンの一覧音楽百科

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