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世界のいろいろな場所の音楽 · 8 / 15

イタリアの音楽:聖歌をうたう修道士からオペラやポップスまで

ピアノ、アレグロ、ソプラノなど、みなさんが知っている音楽の言葉の多くは、イタリア語です。ドレミもオペラもピアノも、イタリアで生まれたり、形になったりしました。

2026年10月7日 内容確認

このレッスンの内容

イタリアの音楽はどんな音?

むかし、教会の修道士たちは、ゆっくりと落ち着いた歌を歌っていました。聖歌とよばれるものです。そのひとつがグレゴリオ聖歌です。教皇グレゴリウス1世にちなんだ名前ですが、専門家は、長い年月をかけて育ったものだと考えていて、彼がぜんぶ書いたという話は、ほとんど伝説です。

1025年ごろ、アレッツォのグイドという修道士が、歌い手が歌を早くおぼえられるようにくふうしました。ラテン語の賛美歌のはじめの音、ut-re-mi-fa-sol-la を使って、音に名前をつけたのです。これがドレミのはじまりです。(ut は、のちに do に変わりました。)

イタリアの人たちは、大きな声で歌うのも大好きです。オペラは、せりふではなく歌で物語をぜんぶ伝えます。「オ・ソレ・ミオ」のようなナポリの歌は、力強い声で気持ちをこめて歌われます。タランテッラは南部の速いおどりで、たいていはぴょんぴょんはねる6/8拍子で、タンバリンがつきます。

イタリア語は、音楽のあちこちに出てきます。アレグロは速く元気に、アダージョはゆっくりくつろいで、ピアノは弱く、フォルテは強く、という意味です。楽譜でこれらを見たら、イタリア語を読んでいるのです。

絵本のようなイラストで、写真ではありません。

ひとつの曲のお話

1898年、ジョヴァンニ・カプッロという詩人が、あらしのあとの晴れた日についての歌詞を書きました。エドゥアルド・ディ・カプアが曲をつけました。曲名は「オ・ソレ・ミオ」。ナポリの人たちが話すナポリ語で「わたしの太陽」という意味です。

この曲は、ナポリで毎年開かれる歌のコンテスト、ピエディグロッタで発表されました。その年は2位でした。でも、みんながとても気に入ったので、まもなく優勝曲よりも人気になりました。

いまでは世界じゅうの歌手が、いろいろな言葉でこの曲を歌っています。ハミングしてみましょう。メロディーが、うれしい波のように上がったり下がったりします。

イタリアの楽器

世界で愛されている楽器の中には、イタリアでつくられたり、形になったりしたものがあります。

ヴァイオリン
弓で弾く小さな弦楽器です。クレモナの町のアマティやストラディヴァリなどの名工がつくったヴァイオリンは、いまも大切にされています。
ピアノ
鍵盤をおすと、ハンマーが弦をたたく楽器で、弱くも強くも弾けます。フィレンツェのバルトロメオ・クリストフォリが発明しました。
マンドリン
ピックではじいて弾く小さな撥弦楽器で、弦は2本ずつ4組、あわせて8本。ナポリ型がいちばん広まりました。
オルガネット
イタリアの民族音楽で使われる小さなボタン式アコーディオンで、にぎやかなおどりの曲を弾くのによく使われます。
ザンポーニャ
何本かの管と、動物の皮でできた袋をもつ、イタリアのバグパイプです。とくにクリスマスの音楽と結びついています。
タンバリン
小さなシンバルがついた枠太鼓です。ふったりたたいたりして、タランテッラのおどりのリズムを引っぱります。

どう聴く?

イタリアの音楽は、歌声とおどりが前に出ていることが多いです。聴くときは、「だれが物語を語っているかな?」「なにが体を動かしたくさせているかな?」と考えてみましょう。

話すように始まって歌になるところを聴こう
オペラでは、せりふのように聞こえる部分(レチタティーヴォ)と、しっかり歌う曲(アリア)があります。
ふるえてきらきら光る音を聴こう
マンドリンの奏者は、2本1組の弦をとても速く何度もはじくので、ひとつの音がずっと鳴りつづけます。
はずむ6/8拍子のダンスのビートを聴こう
タランテッラは速くて、たいていは6/8拍子で、タンバリンがビートを刻むことがよくあります。

Sowlea のメトロノームをゆっくりのテンポにして、1-2-3-4-5-6と数え、1と4で強く手をたたきましょう。これが6/8拍子のゆれる感じです。少しずつ速くしても続けられるかな?

イタリア音楽の物語の大きな出来事

  1. 1025年ごろ
    グイドと音楽の先生の工夫

    アレッツォのグイドが、ut-re-mi-fa-sol-la を使って歌い手に音を教える方法について書きました。

  2. 1500年代
    ローマのパレストリーナ

    パレストリーナは、たくさんの声がいっしょに歌う美しい教会音楽を書き、ルネサンス音楽のスターです。

  3. 1600年
    初期のオペラ

    ヤコポ・ペーリの『エウリディーチェ』がフィレンツェで上演されました。音楽がいまも残っている、いちばん古いオペラです。

  4. 1607年
    モンテヴェルディの『オルフェオ』

    クラウディオ・モンテヴェルディのオペラ『オルフェオ』がマントヴァで上演され、いまも舞台にかかります。

  5. 1700年ごろ
    ピアノの登場

    フィレンツェのバルトロメオ・クリストフォリが初期のピアノをつくり、1711年には、弱くも強くも出せるチェンバロとして、印刷物で紹介されました。

  6. 1725年
    『四季』

    アントニオ・ヴィヴァルディの、四季を描いた4つのヴァイオリン協奏曲が出版されました。

  7. 1853年
    ヴェルディの『椿姫』

    ジュゼッペ・ヴェルディのオペラがヴェネツィアで初演され、もっともよく上演されるオペラのひとつになりました。

  8. 1898年
    「オ・ソレ・ミオ」

    このナポリの歌は歌のお祭りで発表され、世界じゅうで有名になりました。

調べてみよう、この名前

これらは例であって、ランキングではありません。おうちの人にたずねたり、検索したりして、音楽を聴いてみましょう。

  • アレッツォのグイド
  • フランチェスカ・カッチーニ
  • クラウディオ・モンテヴェルディ
  • アントニオ・ヴィヴァルディ
  • ジュゼッペ・ヴェルディ
  • ジャコモ・プッチーニ
  • ミーナ
  • エンニオ・モリコーネ
  • ラウラ・パウジーニ
  • マネスキン

そのころ、世界では

イタリアの音楽が育っていたころ、ほかの場所でも大きなことが起きていました。

  1. 1450年代
    グーテンベルク聖書

    ヨハネス・グーテンベルクの印刷した聖書が、1450年代なかばごろにドイツで出ました。本を、のちには楽譜も、たくさん印刷できるようになる大きな一歩でした。

  2. 1610年
    木星の衛星

    イタリアの科学者ガリレオが望遠鏡で木星を見て、4つの衛星を見つけました。モンテヴェルディの『オルフェオ』のほんの数年後です。

  3. 1685年
    バッハの誕生

    ドイツの作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハが生まれました。イタリアで最初のピアノがつくられはじめたころです。

  4. 1824年
    ベートーヴェンの第九

    最後の楽章に歌い手が入るベートーヴェンの交響曲第9番が、ウィーンではじめて演奏されました。

  5. 1969年
    月を歩く

    アポロ11号が月に着陸しました。そのころには、イタリアの歌や映画音楽が世界じゅうで聴かれていました。

次のレッスンスペインの音楽:お城の歌からフラメンコのギターまで

ピアノの音:Salamander Grand Piano(Alexander Holm、CC BY 3.0)。