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世界のいろいろな場所の音楽 · 3 / 15

韓国の音楽:絹の弦の琴からK-popまで

韓国の音楽には、しずかな宮廷の音楽も、にぎやかな村の太鼓も、世界中の人が見るステージもあります。古い曲の多くは朝鮮半島に共通して受けつがれてきたもので、このページでは昔から今までの音をたどります。

2026年10月7日 内容確認

このレッスンの内容

韓国の音楽はどんな音?

演奏する人のひざの上に、長い木の琴がよこたわっているところを想像してみましょう。絹の弦をはじいたり、おして曲げたりすると、ひとつひとつの音が、声のようにすべったりゆれたりします。これが伽倻琴(カヤグム)です。やさしくて歌うような音は、韓国の伝統音楽にふれる最初の一歩にぴったりです。

昔の韓国の音楽には、いろいろな居場所がありました。王宮では、大きな儀式でゆったりとおだやかな曲が演奏されました。有名な例が宗廟祭礼楽(チョンミョジェリャク)で、朝鮮王朝の王たちの先祖をしのんで、年に一度おこなわれます。村では、農民たちがどらや太鼓を鳴らしながら歩き、農楽(ノンアク)というにぎやかな楽隊の音楽を演奏しました。

歌で物語を語る音楽もあります。パンソリでは、ひとりの歌い手が歌と語りと演技で長い物語を語り、ひとりの太鼓たたきが拍をきざみながら、かけ声を入れます。「アリラン」という民謡はとても愛されていて、たくさんのバージョンで歌われており、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

1900年代になると、新しい音がやってきました。教会の賛美歌や西洋の歌が入ってきて、韓国の人たちもそのスタイルで自分たちの歌をつくりました。のちに、トロットという流行歌が人気になり、イ・ミジャなどの歌手が活やくしました。1992年からは、ラップとダンスのビートを取り入れた新しい波が起こり、それがK-popへと育ちました。2010年代から2020年代には、K-popのグループや歌が世界中で知られるようになりました。

絵本のようなイラストで、写真ではありません。

ひとつの歌のお話:アリラン

韓国では多くの人が「アリラン、アリラン、アラリヨ」というくり返しの部分を知っています。これは、ずっとむかしから歌われてきた民謡の中心です。

このくり返しのあとに短い2行がつづき、それは地域ごとにちがいます。専門家は約3,600のバージョンがあると数え、およそ60の主なグループに分けています。思いこがれる歌、わかれの歌、希望の歌がよくあります。

メロディーが単純なので、だれでも加わって、新しい歌詞をつくれます。2012年、ユネスコはアリランを遺産のリストに加えました。

伝統楽器

調べて聴いてみてほしい楽器を紹介します。

伽倻琴(カヤグム)
12本の絹の弦をはった琴。奏者は床にすわり、右手ではじき、左手で弦をおさえて音を曲げます。
玄琴(コムンゴ)
6本の弦と高いフレットをもつ琴で、短いばちで弾きます。古い記録では、高句麗の大臣がつくったとされています。
奚琴(ヘグム)
2本の弦をもつ弓でひく楽器で、ひざの上に立てて持ちます。弓は2本の弦のあいだを通り、おさえるための指板はありません。
大笒(テグム)
横にかまえて吹く大きな竹の笛。うすいあしの膜でおおった特別な穴があり、やわらかなビリビリという音がくわわります。
牙箏(アジェン)
絹の弦をはった幅の広い琴で、レンギョウの木の棒を弓のようにこすって演奏します。ざらっとしたチェロのような音がします。
杖鼓(チャング)
砂時計のような形の、両面に皮をはった太鼓。片側は竹の棒で、もう片側は素手でたたき、2つの面は音がちがいます。
ケンガリ(꽹과리)
手に持って鳴らす小さなどら。農楽の楽隊では、これを鳴らす人がリーダーです。
チン(징)
深く長くひびく大きなどらで、農楽やサムルノリで使われます。

どうやって聴くの?

目をとじて、ひとつずつ音を追いかけてみましょう。自分に聞いてみます。だんだん速くなっているかな? 音がすべっているかな? 太鼓は同じパターンをくり返しているかな?

曲がる音を聴こう
伽倻琴では、左手で弦をおして音を高くし、ゆらぎも加えます。だから1つの音が、声のように歌えるのです。
ゆっくり始まって速く終わるのを聴こう
サンジョの独奏は、とてもゆっくりしたリズムで始まり、だんだん速いリズムになります。チャングの奏者は、そのあいだずっと、かけ声を入れます。
くり返す太鼓のパターンを聴こう
韓国の音楽には、チャンダンというリズムのパターンがあり、チャングでくり返されます。チャングは両面で、低い音と高い音が出ます。

メトロノームをゆっくりな50 BPMにして、いっしょに手をたたきましょう。8回たたくごとに、サンジョがだんだん速くなるように、少しずつ速くしていきます。どこまで速くしても、拍に合わせられるかな?

韓国の音楽の物語、おもなできごと

  1. 500年代ごろ
    古い王国の琴

    古い記録によると、玄琴は高句麗で、伽倻琴は伽耶(かや)の国で、500年代ごろにつくられたといわれます。

  2. 1400年代
    音楽を書きとめる方法

    世宗(セジョン)王の時代に、井間譜(チョンガンボ)という楽譜がつくられました。方眼を使って、音の高さと長さの両方を示します。

  3. 1600年代後半
    パンソリの登場

    歌い手が声と太鼓で長い物語を語りはじめました。この形式は、のちに半島じゅうで有名になりました。

  4. 1890年ごろ
    サンジョの誕生

    金昌祖(キム・チャンジョ)が1890年ごろにサンジョの形をつくったといわれます。ゆっくり始まってだんだん速くなる、伽倻琴の長いソロ曲です。

  5. 1920年ごろ
    西洋風の歌

    作曲家の洪蘭坡(ホン・ナンパ)が1919年から1920年ごろに「鳳仙花」を書きました。韓国で最初の西洋風の歌といわれることがよくあります。

  6. 1992年
    ラップとダンスの登場

    ソテジ・ワ・アイドゥル(Seo Taiji and Boys)が「ナン・アラヨ」を歌いました。ラップとダンスのビートを混ぜた曲で、大ヒットとなりました。

  7. 1996〜2012年
    K-popが世界へ

    H.O.T.が1996年にデビューし、最初のK-popアイドルグループといわれることがよくあります。2012年にはPSYの「江南スタイル」が、YouTubeで初めて10億回再生を超えた動画になりました。

  8. 2020年
    「Dynamite」が米国のチャート1位に

    BTSが全編英語で歌った「Dynamite」が、8月に米国のビルボード・ホット100で初登場1位になりました。

調べてみよう、名前の一覧

これらは例であって、ランキングではありません。おうちの人にたずねたり、検索したりして、聴いてみましょう。

  • ファン・ビョンギ
  • アン・スクソン
  • キム・ドクス
  • イ・ミジャ
  • チョー・ヨンピル
  • ウンスク・チン
  • ソテジ・ワ・アイドゥル
  • IU
  • BTS
  • BLACKPINK

そのころ、世界では

韓国の音楽が育っていたあいだに、ほかの場所ではこんなことが起きていました。

  1. 537年
    ハギア・ソフィアの完成

    今のイスタンブールで、巨大なドームをもつ教会が完成しました。韓国の古い王国で琴がつくられていたころのことです。

  2. 1455年ごろ
    グーテンベルク聖書

    ドイツで、活版印刷の本が現れはじめました。韓国で楽譜がつくられたのと同じ世紀です。

  3. 1685年
    バッハの誕生

    ドイツの作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハが生まれました。パンソリの語りが形になりつつあったころです。

  4. 1964年
    ビートルズが米国のテレビに

    このバンドは1964年2月に「エド・サリヴァン・ショー」で演奏し、何千万人もの人が見ました。

  5. 1969年
    初めての月面着陸

    アポロ11号が7月20日に月に着陸しました。

  6. 2005年
    YouTubeの始まり

    最初の動画が4月に投稿されました。このサイトは、のちに「江南スタイル」のような歌が世界に広まる助けとなりました。

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ピアノの音:Salamander Grand Piano(Alexander Holm、CC BY 3.0)。