ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:旋律を織りあげた名人
ヨハン・ゼバスティアン・バッハは、今から約300年前にドイツで生きた人です。オルガンを弾き、教会や友人のために曲を書きました。作品は今でも、コンサートホールや音楽のレッスンで演奏されています。
このレッスンの内容

音楽家の一族
バッハは1685年、ドイツのアイゼナハという町で生まれました。一族には音楽家がたくさんいて、音楽は毎日の暮らしの一部でした。9歳ごろにお母さんを、その少しあとの10歳のときにお父さんを亡くしました。そこで、オーアドルフの町に住む兄のヨハン・クリストフのもとへ行きました。兄はオルガニストで、バッハにもっと音楽を教えてくれました。
大人になると、ヴァイマル、ケーテン、ライプツィヒなど、ドイツのいくつかの町で、教会や貴族の家に仕えるオルガニスト・音楽家として働きました。ライプツィヒでは約27年のあいだ、合唱団を指導し、教会の礼拝のための音楽を書きました。亡くなったのは1750年です。

旋律を織りあわせる技
バッハは対位法で有名でした。対位法とは、いくつもの旋律を同時に鳴らして、布の糸のようにうまく組みあわせる書き方です。かんたんな方法のひとつが輪唱で、同じ旋律を、ひとつの声のあとにもうひとつの声が追いかけて、くりかえし歌います。バッハはこの考え方を、もっと巧みに使いました。それが「フーガ」と呼ばれる曲です。
やってみよう:知っている歌を友だちと輪唱してみましょう。2番目の声は、1フレーズ遅れて歌い始めます。
有名な作品
バッハは、とてもたくさんの曲を書きました。その中から、みんなに愛されている作品をいくつか紹介します。
- ブランデンブルク協奏曲
- さまざまな楽器の組みあわせのための、元気な6つの曲です。1721年に、ベルリンに住んでいた貴族のブランデンブルク辺境伯に送りました。
- 平均律クラヴィーア曲集
- 長調と短調のすべての24の調で書かれた、前奏曲とフーガの2冊の曲集です。音楽の勉強にぴったりです。
- 無伴奏チェロ組曲
- チェロがたったひとりで演奏する、6つの曲です。
- トッカータとフーガ ニ短調
- オルガンのためのドラマチックな曲で、出だしの音がとても有名です。昔からバッハの作品とされていますが、いつどのように書かれたかについては、今も専門家のあいだで議論されています。
忘れられて、また愛されて
バッハは生きているあいだ、おもに偉大なオルガニストとして知られていました。亡くなったあと、作品の多くは、あまり演奏されなくなりました。1829年、若い作曲家フェリックス・メンデルスゾーンがベルリンでバッハの『マタイ受難曲』を指揮すると、ふたたび多くの人がバッハの音楽を愛するようになりました。今では、歴史上もっとも偉大な作曲家のひとりと考えられています。
ピアノの音:Salamander Grand Piano(Alexander Holm、CC BY 3.0)。